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第一章 夕顔の物語 夏の物語 第三章[第五段 源氏、二条院に帰る] (38)大殿邸でも懸命にお世話なさって、左大臣が、毎日お越しになっては、さまざまな加持祈祷(きとう)をおさせなさる、その効果があってか、二十余日間、ひどく重く患っていらしゃったが、格別の余病もなく、回復された様子にお見えになる。死穢(けがれ)によって籠っ(こもっ)ていらっしゃった忌中明けの日が、病気11210313四の床上げの日と同日の夜になったので、御心配あそばされていらっしゃるお気持ちが、どうにも恐れ多いので、宮中のご宿直所に参内などなさる。大殿は、ご自分のお車で10113114四申し上げなさって、御物忌みや何やかやと、うるさくお333322112四させ申し上げなさる。ぼんやりとして、別世界にでも生き返ったように、2222012413四の間はお感じになっていた。[第七段 忌み明ける] 九月二十日のころに、病状がすっかりご回復なさって、とてもひどく面やつれしていらっしゃるが、かえって、たいそう優美で、物思いに22203112三がちに、声を立てて泣いてばかりいらっしゃる。拝見して112122113四女房もいて、「お物の怪(もののけ)がお憑き(つき)のようだわ」などと言う者もいる。右近(うこん)を呼び出して、気分もゆったりとした夕暮(ゆうぐれ)に、お話などなさって、「やはり、とても不思議だ。どうして誰とも知られまいと、お隠しになっていたのか。本当に賤しい(いやしい)身分であったとしても、あれほど愛しているのを知らず、隠していらっしゃったので、辛かった」とおっしゃると、「どうして、深くお隠し申し上げなさる必要がございましょう。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 第三章[第二段 尼君死去し寂寥(せきりょう)と孤独の日々](38)大殿邸でも懸命にお世話なさって、左大臣が、毎日お越しになっては、さまざまな加持祈祷(きとう)をおさせなさる、その効果があってか、二十余日間、ひどく重く患っていらしゃったが、格別の余病もなく、回復された様子にお見えになる。死穢(けがれ)によって籠っ(こもっ)ていらっしゃった忌中明けの日が、病気回復の床上げの日と同日の夜になったので、御心配あそばされていらっしゃるお気持ちが、どうにも恐れ多いので、宮中のご宿直所に参内などなさる。大殿は、ご自分のお車でお迎え申し上げなさって、御物忌みや何やかやと、うるさくお慎みさせ申し上げなさる。ぼんやりとして、別世界にでも生き返ったように、暫く(しばらく)の間はお感じになっていた。[第七段 忌み明ける] 九月二十日のころに、病状がすっかりご回復なさって、とてもひどく面やつれしていらっしゃるが、かえって、たいそう優美で、物思いに沈みがちに、声を立てて泣いてばかりいらっしゃる。拝見して怪しむ女房もいて、「お物の怪(もののけ)がお憑き(つき)のようだわ」などと言う者もいる。右近(うこん)を呼び出して、気分もゆったりとした夕暮(ゆうぐれ)に、お話などなさって、「やはり、とても不思議だ。どうして誰とも知られまいと、お隠しになっていたのか。本当に賤しい(いやしい)身分であったとしても、あれほど愛しているのを知らず、隠していらっしゃったので、辛かった」とおっしゃると、「どうして、深くお隠し申し上げなさる必要がございましょう。 |