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第一章 夕顔の物語 夏の物語 第三章[第五段 源氏、二条院に帰る] (37)苦しいご気分ながらも、あの右近(うこん)を呼び寄せて、部屋などを近くにお与えになって、1033114四させなさる。惟光(これみつ)は、気が気でなくどうしてよいかわからないでいるが、気を落ち着けて、この右近(うこん)が主人を亡くして悲しんでいるのを、支え助けてやりながら仕えさせる。源氏の君は、少し気分のよろしく思われる時は、呼び寄せてご用を言いつけたりなどなさるので、まもなく41202140211四。喪服は、とても黒いのを着て、器量など良くはないが、不器量で見苦しいというほどでもない若い女性である。「10322142三に短かったご宿縁に引かれて、わたしもこの世に生きていられないような気がする。長年の主人を亡くして、心細く思っていましょう慰めにも、もし生きながらえたら、いろいろと1141402143四を見たいと思ったが、まもなく自分も後を追ってしまいそうなのが、残念なことだなあ」と、ひっそりとおっしゃって、弱々しくお泣きになるので、今さら言ってもしかたないことはさて措い(おい)ても、「はなはだもったいないことだ」とお思い申し上げる。お邸の人々は、足も地に着かないほどどうしてよいか分からないでいる。内裏から、御勅使(みてい)が、雨脚よりも102140230140四に102140230140四にある。ご心配あそばされていらっしゃるのをお聞きになると、まことに恐れ多くて、無理に気を強くお持ちになる。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 第三章[第二段 尼君死去し寂寥(せきりょう)と孤独の日々](37)苦しいご気分ながらも、あの右近(うこん)を呼び寄せて、部屋などを近くにお与えになって、お仕えさせなさる。惟光(これみつ)は、気が気でなくどうしてよいかわからないでいるが、気を落ち着けて、この右近(うこん)が主人を亡くして悲しんでいるのを、支え助けてやりながら仕えさせる。源氏の君は、少し気分のよろしく思われる時は、呼び寄せてご用を言いつけたりなどなさるので、まもなく馴染ん(なじん)だ。喪服は、とても黒いのを着て、器量など良くはないが、不器量で見苦しいというほどでもない若い女性である。「不思議に短かったご宿縁に引かれて、わたしもこの世に生きていられないような気がする。長年の主人を亡くして、心細く思っていましょう慰めにも、もし生きながらえたら、いろいろと面倒を見たいと思ったが、まもなく自分も後を追ってしまいそうなのが、残念なことだなあ」と、ひっそりとおっしゃって、弱々しくお泣きになるので、今さら言ってもしかたないことはさて措い(おい)ても、「はなはだもったいないことだ」とお思い申し上げる。お邸の人々は、足も地に着かないほどどうしてよいか分からないでいる。内裏から、御勅使(みてい)が、雨脚よりも格段に頻繁にある。ご心配あそばされていらっしゃるのをお聞きになると、まことに恐れ多くて、無理に気を強くお持ちになる。 |