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第一章 夕顔の物語 夏の物語 第三章[第五段 源氏、二条院に帰る] (35)どのようにおなりになったと、皆に申せましょう。悲しいことはさておいて、皆にとやかく言われましょうことが、辛いことで」と言って、泣き1320313234四、「煙と一緒になって、後をお慕い申し上げましょう」と言う。「ごもっともだが、世の中はそのようなものである。別れというもので、悲しくないものはない。先立つのも残されるのも、同じく2026111261.53五で定まったものである。気を取り直して、わたしを頼れ」と、お慰めになりながらも、「このように言う我が身こそが、生きながらえられそうにない気がする」とおっしゃるのも、頼りない話であるよ。惟光(これみつ)が、「夜は、明け方になってしまいましょう。早くお帰りあそばしますように」と申し上げるので、振り返り振り返りばかりされて、胸をひしと22114二付けられた思いでお出になる。道中とても露(あらわ)っぽいところに、更に大変な朝霧で、どこだか分からないような気がなさる。242204140四の姿のままで横たわっていた様子、互いにお掛け合いになって寝たのや、その自分の紅のご22261.53四がそのまま着せ掛けてあったことなどが、どのような前世の因縁であったのかと、道すがらお思いにならずにはいらっしゃれない。お馬にも、しっかりとお乗りになることができそうにないご様子なので、再び、惟光(これみつ)が介添えしてお連れしていくと、堤の辺りで、馬からすべり下りて、ひどくご惑乱なさったので、「こんな1123222031四で、野垂れ死んでしまうのだろうか。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 第三章[第二段 尼君死去し寂寥(せきりょう)と孤独の日々](35)どのようにおなりになったと、皆に申せましょう。悲しいことはさておいて、皆にとやかく言われましょうことが、辛いことで」と言って、泣き崩れて、「煙と一緒になって、後をお慕い申し上げましょう」と言う。「ごもっともだが、世の中はそのようなものである。別れというもので、悲しくないものはない。先立つのも残されるのも、同じく寿命で定まったものである。気を取り直して、わたしを頼れ」と、お慰めになりながらも、「このように言う我が身こそが、生きながらえられそうにない気がする」とおっしゃるのも、頼りない話であるよ。惟光(これみつ)が、「夜は、明け方になってしまいましょう。早くお帰りあそばしますように」と申し上げるので、振り返り振り返りばかりされて、胸をひしと締め付けられた思いでお出になる。道中とても露(あらわ)っぽいところに、更に大変な朝霧で、どこだか分からないような気がなさる。生前の姿のままで横たわっていた様子、互いにお掛け合いになって寝たのや、その自分の紅のご衣装がそのまま着せ掛けてあったことなどが、どのような前世の因縁であったのかと、道すがらお思いにならずにはいらっしゃれない。お馬にも、しっかりとお乗りになることができそうにないご様子なので、再び、惟光(これみつ)が介添えしてお連れしていくと、堤の辺りで、馬からすべり下りて、ひどくご惑乱なさったので、「こんな道端で、野垂れ死んでしまうのだろうか。 |