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第一章 夕顔の物語 夏の物語 第三章[第五段 源氏、二条院に帰る] (34)御燈明(とうみょう)の光が、112311三に隙間から見える。その家には、女一人の泣く声ばかりして、外の方に、法師たち二、三人が話をしいしい、特に声を立てない4414022233四を40414三ている。寺々の初夜も、皆、お勤めが終わって、とても静かである。清水寺の方角は、光が多く見え、人の141012三がたくさんあるのであった。この尼君の子である大徳が尊い声で、経を読んでいるので、涙も涸れん(かれん)ばかりに思わずにはいらっしゃれない。お入りになると、灯火を遺骸から背けて、右近(うこん)は屏風(びょうぶ)を隔てて臥し(ふし)ていた。どんなに1342212213四思っているだろう、と御覧になる。気味悪さも感じられず、とてもかわいらしい様子をして、まだ少しも変わった所がない。手を握って、「わたしに、もう一度、声だけでもお聞かせ下さい。どのような前世からの因縁があったのだろうか、少しの間に、心の限りを尽くして愛しい(いとしい)と思ったのに、残して216.534三、途方に暮れさせなさるのが、あまりのこと」と、声も惜しまず、お泣きになること、際限がない。大徳たちも、この方たちを誰とは知らないが、子細があると思って、皆、涙を落としたのだった。右近(うこん)に、「さあ、二条へ」とおっしゃるが、「長年、幼う(おさのう)ございました時から、片時もお離れ申さず、馴れ(なれ)親しみ申し上げてきた方に、急にお別れ申して、どこに帰ったらよいのでございましょう。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 第三章[第二段 尼君死去し寂寥(せきりょう)と孤独の日々](34)御燈明(とうみょう)の光が、微か(かすか)に隙間から見える。その家には、女一人(ひとり)の泣く声ばかりして、外の方に、法師たち二、三人が話をしいしい、特に声を立てない念仏を唱えている。寺々の初夜も、皆、お勤めが終わって、とても静かである。清水寺の方角は、光が多く見え、人の気配がたくさんあるのであった。この尼君の子である大徳が尊い声で、経を読んでいるので、涙も涸れん(かれん)ばかりに思わずにはいらっしゃれない。お入りになると、灯火を遺骸から背けて、右近(うこん)は屏風(びょうぶ)を隔てて臥し(ふし)ていた。どんなに侘しく(わびしく)思っているだろう、と御覧になる。気味悪さも感じられず、とてもかわいらしい様子をして、まだ少しも変わった所がない。手を握って、「わたしに、もう一度、声だけでもお聞かせ下さい。どのような前世からの因縁があったのだろうか、少しの間に、心の限りを尽くして愛しい(いとしい)と思ったのに、残して逝っ(いっ)て、途方に暮れさせなさるのが、あまりのこと」と、声も惜しまず、お泣きになること、際限がない。大徳たちも、この方たちを誰とは知らないが、子細があると思って、皆、涙を落としたのだった。右近(うこん)に、「さあ、二条へ」とおっしゃるが、「長年、幼う(おさのう)ございました時から、片時もお離れ申さず、馴れ(なれ)親しみ申し上げてきた方に、急にお別れ申して、どこに帰ったらよいのでございましょう。 |