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第一章 夕顔の物語 夏の物語 第三章[第五段 源氏、二条院に帰る] (33)「重ねて無難に取り101111244四」と、葬式の作法をおっしゃるが、「いやいや、大げさにする必要もございません」と言って立つのが、とても悲しく思わずにはいらっしゃれないので、「きっと不都合なことと思うだろうが、今一度、あの4112141124四を見ないのが、とても心残りだから、馬で行ってみたい」とおっしゃるので、とんでもない事だとは思うが、「そのようにお思いになるならば、仕方ございません。早く、お出かけあそばして、夜が10314二ない前にお帰りあそばしませ」と申し上げるので、最近のお忍び用にお作りになった、狩衣(かりぎぬ)のご衣装に121414三などしてお出かけになる。お心はまっ暗闇で、大変に堪らない(たまらない)ので、このような変な道に出かけようとするにつけても、危なかった懲り事のために、どうしようかとお悩みになるが、やはり悲しみの晴らしようがなく、「現在の亡骸(なきがら)を見ないでは、再び来世で生前の姿を見られようか」と、悲しみを堪え(こたえ)なさって、いつものように惟光(これみつ)大夫、随身を連れてお出掛けになる。道中が遠く感じられる。十七日の月がさし昇って、11134124三の辺りでは、御前駆の松明(たいまつ)も仄か(ほのか)であるし、鳥辺野の方角などを見やった時など、何となく気味悪いのも、何ともお感じにならず、心乱れなさって、お着きになった。周囲一帯までがぞっとする所だが、板屋の隣に堂を建ててお勤めしている尼の家は、まことにもの21112222四感じである。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 第三章[第二段 尼君死去し寂寥(せきりょう)と孤独の日々](33)「重ねて無難に取り計らえ」と、葬式の作法をおっしゃるが、「いやいや、大げさにする必要もございません」と言って立つのが、とても悲しく思わずにはいらっしゃれないので、「きっと不都合なことと思うだろうが、今一度、あの亡骸(なきがら)を見ないのが、とても心残りだから、馬で行ってみたい」とおっしゃるので、とんでもない事だとは思うが、「そのようにお思いになるならば、仕方ございません。早く、お出かけあそばして、夜が更けない前にお帰りあそばしませ」と申し上げるので、最近のお忍び用にお作りになった、狩衣(かりぎぬ)のご衣装に着替えなどしてお出かけになる。お心はまっ暗闇で、大変に堪らない(たまらない)ので、このような変な道に出かけようとするにつけても、危なかった懲り事のために、どうしようかとお悩みになるが、やはり悲しみの晴らしようがなく、「現在の亡骸(なきがら)を見ないでは、再び来世で生前の姿を見られようか」と、悲しみを堪え(こたえ)なさって、いつものように惟光(これみつ)大夫、随身を連れてお出掛けになる。道中が遠く感じられる。十七日の月がさし昇って、河原の辺りでは、御前駆の松明(たいまつ)も仄か(ほのか)であるし、鳥辺野の方角などを見やった時など、何となく気味悪いのも、何ともお感じにならず、心乱れなさって、お着きになった。周囲一帯までがぞっとする所だが、板屋の隣に堂を建ててお勤めしている尼の家は、まことにもの寂しい感じである。 |