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第一章 夕顔の物語 夏の物語 第三章[第五段 源氏、二条院に帰る] (28)そうは言っても、年も相当とり、世の中のあれやこれやと、経験を積んだ人は、非常の時には頼もしいのであるが、どちらもどちらも若者同士で、どうしようもないが、「この院の管理人などに聞かせるようなことは、まことに不都合なことでしょう。この管理人一人(ひとり)は2214011233四であっても、自然と口をすべらしてしまう身内も中にはいることでしょう。まずは、この院をお出なさいましね」と言う。「ところで、ここより人少なな所がどうしてあろうか」とおっしゃる。「なるほど、そうでございましょう。あの元の家は、女房などが、悲しみに耐えられず、泣き取り乱すでしょうし、隣家が多く、見咎める(みとがめる)住人も多くございましょうから、自然と313421三が立ちましょうが、山寺は、何と言ってもこのようなことも、自然ありがちで、目立たないことでございましょう」と言って、思案して、「昔、親しくしておりました女房で、尼になって住んでおります東山の辺に、お移し申し上げましょう。惟光(これみつ)めの父朝臣(あそん)の乳母(うば)でございました者が、年老いて住んでいるのです。226132四は、人が多いようでございますが、とても11140242四でございます」と申し上げて、夜がすっかり明けるころの騒がしさに11114213234二、お車を寄せる。この女をお抱きになれそうもないので、上筵(うわむしろ)に3333140213四、惟光(これみつ)がお乗せ申す。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 ![]() 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 第三章[第二段 尼君死去し寂寥(せきりょう)と孤独の日々](28)そうは言っても、年も相当とり、世の中のあれやこれやと、経験を積んだ人は、非常の時には頼もしいのであるが、どちらもどちらも若者同士で、どうしようもないが、「この院の管理人などに聞かせるようなことは、まことに不都合なことでしょう。この管理人一人(ひとり)は親密であっても、自然と口をすべらしてしまう身内も中にはいることでしょう。まずは、この院をお出なさいましね」と言う。「ところで、ここより人少なな所がどうしてあろうか」とおっしゃる。「なるほど、そうでございましょう。あの元の家は、女房などが、悲しみに耐えられず、泣き取り乱すでしょうし、隣家が多く、見咎める(みとがめる)住人も多くございましょうから、自然と噂(うわさ)が立ちましょうが、山寺は、何と言ってもこのようなことも、自然ありがちで、目立たないことでございましょう」と言って、思案して、「昔、親しくしておりました女房で、尼になって住んでおります東山の辺に、お移し申し上げましょう。惟光(これみつ)めの父朝臣(あそん)の乳母(うば)でございました者が、年老いて住んでいるのです。周囲は、人が多いようでございますが、とても閑静でございます」と申し上げて、夜がすっかり明けるころの騒がしさに紛れて、お車を寄せる。この女をお抱きになれそうもないので、上筵(うわむしろ)に包んで、惟光(これみつ)がお乗せ申す。 |