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第一章 夕顔の物語 夏の物語 第三章[第五段 源氏、二条院に帰る] (27)ようやくのことで、惟光(これみつ)朝臣(あそん)が参上した。夜中、早朝の区別なく、14261.52三のままに従う者が、今夜に限って控えていなくて、お呼び出しにまで遅れて参ったのを、憎らしいとお思いになるものの、呼び入れて、おっしゃろうとする内容があっけないので、すぐには何もおっしゃれない。右近(うこん)は、大夫の様子を聞くと、初めからのことが、つい思い出されて泣くと、源氏の君も141111140三がおできになれず、自分一人気20261.53222四に抱いていらっしゃったところ、この人を見てほっとなさって、悲しい気持ちにおなりになるのであったが、しばらくは、まことに大変にとめどもなくお泣きになる。やっと気持ちを落ち着けて、「ここで、まことに奇妙な事件が起こったが、驚くと言っても言いようのないほどだ。このような1212613四のことには、誦経(じゅきょう)などをすると言うので、その手配をさせよう。願文なども立てさせようと思って、阿闍梨(あじゃり)に来るようにと、言ってやったのは」とおっしゃると、「昨日(きのう)、帰山してしまいました。それにしても、まことに1211261.53四なことでございますね。以前から、常とは違ってご気分のすぐれないことでもございましたのでしょうか」「そのようなこともなかった」と言って、お泣きになる様子、とても優美でいたわしく、101214140四する人もほんとうに悲しくて、自分もおいおいと泣いた。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 ![]() 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 第三章[第五段 源氏、二条院に帰る] (27)ようやくのことで、惟光(これみつ)朝臣(あそん)が参上した。夜中、早朝の区別なく、御意のままに従う者が、今夜に限って控えていなくて、お呼び出しにまで遅れて参ったのを、憎らしいとお思いになるものの、呼び入れて、おっしゃろうとする内容があっけないので、すぐには何もおっしゃれない。右近(うこん)は、大夫の様子を聞くと、初めからのことが、つい思い出されて泣くと、源氏の君も我慢がおできになれず、自分一人(ひとり)気丈夫に抱いていらっしゃったところ、この人を見てほっとなさって、悲しい気持ちにおなりになるのであったが、しばらくは、まことに大変にとめどもなくお泣きになる。やっと気持ちを落ち着けて、「ここで、まことに奇妙な事件が起こったが、驚くと言っても言いようのないほどだ。このような危急のことには、誦経(じゅきょう)などをすると言うので、その手配をさせよう。願文なども立てさせようと思って、阿闍梨(あじゃり)に来るようにと、言ってやったのは」とおっしゃると、「昨日(きのう)、帰山してしまいました。それにしても、まことに奇妙なことでございますね。以前から、常とは違ってご気分のすぐれないことでもございましたのでしょうか」「そのようなこともなかった」と言って、お泣きになる様子、とても優美でいたわしく、拝見する人もほんとうに悲しくて、自分もおいおいと泣いた。 |