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第一章 夕顔の物語 夏の物語 第三章 [第四段 (25)それほどお強がりになるが、お若い考えで、113412213四死んでしまったのを御覧になると、どうしようもなくて、ひしと抱いて、「おまえさま、生き返っておくれ。とても悲しい目に遭わせないでおくれ」とおっしゃるが、冷たくなっていたので、感じも気味悪くなって行く。右近(うこん)は、ただ「ああ、気味悪い」と思っていた気持ちもすっかり冷めて、泣いて取り乱す様子はまことに大変である。南殿の鬼が、某大臣を102141122四た例をお思い出しになって、気強く、「いくら何でも、死にはなさるまい。夜の声は大げさだ。静かに」とお諌め(おいさめ)になって、まったく突然の事なので、2243204140四とした気持ちでいらっしゃる。先ほどの男を呼び寄せて、「ここに、まことに不思議に、魔性のものに魅入られた人が苦しそうなので、今すぐに、惟光(これみつ)朝臣(あそん)の泊まっている家に行って、急いで参上するように言え、と命じなさい。2243二阿闍梨(あじゃり)が、そこに居合わせていたら、ここに来るよう、こっそりと言いなさい。あの尼君などが聞こうから、大げさに言うな。このような忍び歩きは許さない人だ」などと、123314140四をおっしゃるようだが、胸が一杯で、この人を死なせてしまったらどうまるのかがたまらなくお思いになるのに加えて、辺りの不気味さは、譬えよ(たとえよ)うもない。夜中も過ぎたのだろうよ、風がやや荒々しく吹いているのは。その上に、松風の響きが、木深く聞こえて、21233三な鳥がしわがれ声で鳴いているのも、「梟(ふくろう)」と言う鳥はこのことかと思われる。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 ![]() 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 第三章 [第四段 (25)それほどお強がりになるが、お若い考えで、空しく(むなしく)死んでしまったのを御覧になると、どうしようもなくて、ひしと抱いて、「おまえさま、生き返っておくれ。とても悲しい目に遭わせないでおくれ」とおっしゃるが、冷たくなっていたので、感じも気味悪くなって行く。右近(うこん)は、ただ「ああ、気味悪い」と思っていた気持ちもすっかり冷めて、泣いて取り乱す様子はまことに大変である。南殿の鬼が、某大臣を脅かした例をお思い出しになって、気強く、「いくら何でも、死にはなさるまい。夜の声は大げさだ。静かに」とお諌め(おいさめ)になって、まったく突然の事なので、茫然(ぼうぜん)とした気持ちでいらっしゃる。先ほどの男を呼び寄せて、「ここに、まことに不思議に、魔性のものに魅入られた人が苦しそうなので、今すぐに、惟光(これみつ)朝臣(あそん)の泊まっている家に行って、急いで参上するように言え、と命じなさい。某阿闍梨(あじゃり)が、そこに居合わせていたら、ここに来るよう、こっそりと言いなさい。あの尼君などが聞こうから、大げさに言うな。このような忍び歩きは許さない人だ」などと、用件をおっしゃるようだが、胸が一杯で、この人を死なせてしまったらどうまるのかがたまらなくお思いになるのに加えて、辺りの不気味さは、譬えよ(たとえよ)うもない。夜中も過ぎたのだろうよ、風がやや荒々しく吹いているのは。その上に、松風の響きが、木深く聞こえて、異様な鳥がしわがれ声で鳴いているのも、「梟(ふくろう)」と言う鳥はこのことかと思われる。 |