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第一章 夕顔の物語 夏の物語 第三章 [第三段 なにがしの院に移る] (19)右近(うこん)は、心浮き立つ優美な202032三がして、過去のことなども、一人思い出すのであった。管理人が一生懸命110140303四している様子から、このご様子をすっかり知った。ほのかに物が見えるころに、お下り(おさがり)になったようである。仮ごしらえだが、こざっぱりと設けてある。「1030414四にどなたもお仕えいたしておりませんな。不都合なことですな」と言って、親しい下家司(つかさ)で、大殿にも仕えている者だったので、参り寄って、「適当な人を、お呼びなさるべきではありませんか」などと、申し上げさせるが、「特に人の来ないような隠れ家を求めたのだ。決して他人には言うな」と口封じさせなさる。1011122三などを準備して差し上げたが、取り次ぐお給仕が30133134三ない。まだ経験のないご外泊に、「鳰(にお)鳥の息長(おきなが)川」よりもいついつまでもとお約束なさること以外ない。日が高くなったころにお起きになって、格子を自らお上げになる。とてもひどく荒れて、人影もなく広々と見渡されて、木立がとても気味悪く鬱蒼(うっそう)と古びている。側近くの草木などは、格別見所もなく、すっかり秋の野原となって、池も水草に埋もれ(うずもれ)ているので、まことに恐ろしくなってしまった所であるよ。別納の方に、部屋(へや)などを22331244四て、人が住んでいるようだが、こちらは離れている。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 ![]() 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 第三章 [第三段 なにがしの院に移る](19)右近(うこん)は、心浮き立つ優美な心地(ここち)がして、過去のことなども、一人思い出すのであった。管理人が一生懸命奔走している様子から、このご様子をすっかり知った。ほのかに物が見えるころに、お下り(おさがり)になったようである。仮ごしらえだが、こざっぱりと設けてある。「お供(おそなえ)にどなたもお仕えいたしておりませんな。不都合なことですな」と言って、親しい下家司(つかさ)で、大殿にも仕えている者だったので、参り寄って、「適当な人を、お呼びなさるべきではありませんか」などと、申し上げさせるが、「特に人の来ないような隠れ家を求めたのだ。決して他人には言うな」と口封じさせなさる。お粥(おかゆ)などを準備して差し上げたが、取り次ぐお給仕が揃わ(そろわ)ない。まだ経験のないご外泊に、「鳰(にお)鳥の息長(おきなが)川」よりもいついつまでもとお約束なさること以外ない。日が高くなったころにお起きになって、格子を自らお上げになる。とてもひどく荒れて、人影もなく広々と見渡されて、木立がとても気味悪く鬱蒼(うっそう)と古びている。側近くの草木などは、格別見所もなく、すっかり秋の野原となって、池も水草に埋もれ(うずもれ)ているので、まことに恐ろしくなってしまった所であるよ。別納の方に、部屋(へや)などを設え(しつらえ)て、人が住んでいるようだが、こちらは離れている。 |