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第一章 夕顔の物語 夏の物語 第三章 六条の貴婦人の物語 初秋の物語(12)「確かにその車を見たのならよかったのに」とおっしゃって、「もしや、あの頭中将(とうのちゅうじょう)が2402213四忘れ難かった女であろうか」と、思いつかれるにつけても、とても知りたげなご様子を見て、「わたくし自身の懸想も2261221三よく致して、家の内情もすっかり存じておりますが、相手の女は、ただ、同じ同輩どうしの女がいるだけだと思わせて、話しかけてくる若い近習(きんじゅ)がございますので、わたしも空とぼけたふりして、隠れて通っています。とてもうまく隠していると思って、小さい子供などのございますのが言い間違いそうになるのも、ごまかして、別に主人のいない様子を無理に装っております」などと、話して笑う。「尼君のお見舞いに伺った折に、112111112三させよ」とおっしゃるのであった。一時的にせよ、住んでいる家の程度を思うと、「これこそ、あの左馬頭が判定して、貶ん(さげすん)だ下の品であろう。その中に予想外におもしろい事があったら」などと、お思いになるのであった。惟光(これみつ)は、どんな21212三なことでも君のお心に違(たがい)うまいと思うが、自分も抜けめない好色人なので、大変に2113二を労しあちこち段取りをつけ、しゃにむにお通(おとおり)わし始めたのであった。この辺の事情は、こまごまと134203124134四しくなるので、例によって省略した。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 ![]() 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 第三章 六条の貴婦人の物語 初秋の物語(12)「確かにその車を見たのならよかったのに」とおっしゃって、「もしや、あの頭中将(とうのちゅうじょう)が愛しく(いとしく)忘れ難かった女であろうか」と、思いつかれるにつけても、とても知りたげなご様子を見て、「わたくし自身の懸想も首尾よく致して、家の内情もすっかり存じておりますが、相手の女は、ただ、同じ同輩どうしの女がいるだけだと思わせて、話しかけてくる若い近習(きんじゅ)がございますので、わたしも空とぼけたふりして、隠れて通っています。とてもうまく隠していると思って、小さい子供などのございますのが言い間違いそうになるのも、ごまかして、別に主人のいない様子を無理に装っております」などと、話して笑う。「尼君のお見舞いに伺った折に、垣間見(かいまみ)させよ」とおっしゃるのであった。一時的にせよ、住んでいる家の程度を思うと、「これこそ、あの左馬頭が判定して、貶ん(さげすん)だ下の品であろう。その中に予想外におもしろい事があったら」などと、お思いになるのであった。惟光(これみつ)は、どんな些細(ささい)なことでも君のお心に違(たがい)うまいと思うが、自分も抜けめない好色人なので、大変に策を労しあちこち段取りをつけ、しゃにむにお通(おとおり)わし始めたのであった。この辺の事情は、こまごまと煩わしくなるので、例によって省略した。 |