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[第五段 源氏、空蝉(うつせみ)の脱ぎ捨てた衣を持って帰る](12)あの薄衣(うすぎぬ)は、小袿(こうちぎ)のとても41331122四い人の香が染み込んでいるので、それをいつもお側(おそば)近くに置いて見ていらっしゃった。小君が、あちらに行ったところ、姉君が待ち構えていて、厳しくお叱りになる。「とんでもないことであったのに、何とか人目はごまかしても、他人の思惑はどうすることもできないので、ほんとうに困ったこと。まことにこのように幼く浅はかな考えを、また一方でどうお思いになっていらっしゃろうか」と言って、お叱りになる。どちらからも叱られて辛く思うが、あの源氏の君の手すさび書きを取り出した。お2211130三はしたものの、手に取って御覧になる。あの43142二捨てた小袿(こうちぎ)を、どのように、「伊勢(いせ)をの海人(あま)」のように汗臭くはなかったろうか、と思うのも気が気でなく、いろいろと思い乱れて。西の君も、何とはなく恥ずかしい気持ちがしてお帰りになった。他(ほか)に知っている人もいない事なので、一人物思いに1031416.534四いた。小君が行き来するにつけても、胸ばかりが締めつけられるが、お手紙もない。あまりのことだと気づくすべもなくて、陽気な性格ながら、何となく悲しい思いをしているようである。薄情な女も、そのように落ち着いてはいるが、通り一遍とも思えないご様子を、結婚する前のわが身であったらと、昔に返れるものではないが、堪える(こたえる)ことができないので、この懐紙の片端の方に、「空蝉(うつせみ)の羽に置く33122二が木に隠れて見えないように、わたしもひそかに、涙で袖を4312422三ております」
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 [第五段 源氏、空蝉(うつせみ)の脱ぎ捨てた衣を持って帰る] (12)あの薄衣(うすぎぬ)は、小袿(こうちぎ)のとても懐かしい人の香が染み込んでいるので、それをいつもお側(おそば)近くに置いて見ていらっしゃった。小君が、あちらに行ったところ、姉君が待ち構えていて、厳しくお叱りになる。「とんでもないことであったのに、何とか人目はごまかしても、他人の思惑はどうすることもできないので、ほんとうに困ったこと。まことにこのように幼く浅はかな考えを、また一方でどうお思いになっていらっしゃろうか」と言って、お叱りになる。どちらからも叱られて辛く思うが、あの源氏の君の手すさび書きを取り出した。お叱りはしたものの、手に取って御覧になる。あの脱ぎ捨てた小袿(こうちぎ)を、どのように、「伊勢(いせ)をの海人(あま)」のように汗臭くはなかったろうか、と思うのも気が気でなく、いろいろと思い乱れて。西の君も、何とはなく恥ずかしい気持ちがしてお帰りになった。他(ほか)に知っている人もいない事なので、一人物思いに耽って(ふけって)いた。小君が行き来するにつけても、胸ばかりが締めつけられるが、お手紙もない。あまりのことだと気づくすべもなくて、陽気な性格ながら、何となく悲しい思いをしているようである。薄情な女も、そのように落ち着いてはいるが、通り一遍とも思えないご様子を、結婚する前のわが身であったらと、昔に返れるものではないが、堪える(こたえる)ことができないので、この懐紙の片端の方に、「空蝉(うつせみ)の羽に置く露(つゆ)が木に隠れて見えないように、わたしもひそかに、涙で袖を濡らし(ぬらし)ております」 |