ご来訪ありがとうございます。初めての方は「はじめに」をご覧ください。 変換表
[第三段 空蝉(うつせみ)と軒端荻(おぎ)、碁を打つ](7)女は、あれきりお忘れなのを嬉しい(うれしい)と努めて思おうとはするが、不思議な夢のような出来事を、心から忘れられないころなので、ぐっすりと眠ることさえできず、昼間は物思いに10314130三、夜は44201114三がちなので、春ではないが、「木の芽」ならぬ「この目」も、休まる時なく物思いがちなのに、碁を打っていた君は、「今夜は、こちらに」と言って、今の子らしくおしゃべりして、寝てしまったのだった。若い女は、無心にとてもよく眠っているのであろう。このような感じが、とても香り高く421016.534四来るので、顔を上げると、単衣(ひとえ)の帷子(かたびら)を打ち掛けてある几帳(きちょう)の隙間に、暗いけれども、にじり寄って来る様子が、はっきりとわかる。あきれた気持ちで、何とも10314023333四もつかず、そっと起き出して、生絹の単衣(ひとえ)を一枚着て、そっと抜け出したのだった。源氏の君はお入りになって、ただ一人で寝ているのを安心にお思いになる。床の下の方に二人ほど寝ている。衣を押しやってお寄り添いになると、先夜の様子よりは、1031042四な感じに思われるが、お気づきなさらない。目を覚まさない様子などが、11261.53三に違って、だんだんとおわかりになって、意外なことに癪(しゃく)に思うが、「人違いをしてまごまごしていると見られるのも愚かしく、変だと思うだろう、
〰 おもしろ「ことば変換」〰 ![]() 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 [第三段 空蝉(うつせみ)と軒端荻(おぎ)、碁を打つ] (7)女は、あれきりお忘れなのを嬉しい(うれしい)と努めて思おうとはするが、不思議な夢のような出来事を、心から忘れられないころなので、ぐっすりと眠ることさえできず、昼間は物思いに耽り(ふけり)、夜は寝覚めがちなので、春ではないが、「木の芽」ならぬ「この目」も、休まる時なく物思いがちなのに、碁を打っていた君は、「今夜は、こちらに」と言って、今の子らしくおしゃべりして、寝てしまったのだった。若い女は、無心にとてもよく眠っているのであろう。このような感じが、とても香り高く匂って来るので、顔を上げると、単衣(ひとえ)の帷子(かたびら)を打ち掛けてある几帳(きちょう)の隙間に、暗いけれども、にじり寄って来る様子が、はっきりとわかる。あきれた気持ちで、何とも分別もつかず、そっと起き出して、生絹の単衣(ひとえ)を一枚着て、そっと抜け出したのだった。源氏の君はお入りになって、ただ一人で寝ているのを安心にお思いになる。床の下の方に二人ほど寝ている。衣を押しやってお寄り添いになると、先夜の様子よりは、大柄な感じに思われるが、お気づきなさらない。目を覚まさない様子などが、妙に違って、だんだんとおわかりになって、意外なことに癪(しゃく)に思うが、「人違いをしてまごまごしていると見られるのも愚かしく、変だと思うだろう、 |