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[第三段 空蝉(うつせみ)と軒端荻(おぎ)、碁を打つ](6)この子も、姉のお気持ちは曲がりそうになく113122233四でいるので、話をつけるすべもなくて、人少なになった時にお入れ申し上げようと考えるのであった。「紀伊(きい)守(かみ)の妹も、ここにいるのか。わたしにのぞき見させよ」とおっしゃるが、「どうして、そのようなことができましょうか。格子には几帳(きちょう)が添え立ててあります」と申し上げる。もっともだ、しかしそれでも興味深くお思いになるが、「見てしまったとは言うまい、気の毒だ」とお思いになって、夜の1031434三行くことの遅いことをおっしゃる。今度は、妻戸を3131234四入って行く。女房たちは皆静かに寝静まっていた。「この障子の口に、僕は寝ていよう。風よ吹き抜けておくれ」と言って、畳を広げて横になる。女房たちは、東廂(ひさし)に大勢寝ているのだろう。妻戸を開けた女童もそちらに入って寝てしまったので、しばらく空寝をして、灯火の明るい方に屏風(びょうぶ)を広げて、うす暗くなったところに、静かにお入れ申し上げる。「どうなることか、1013311三しいことがあってはならない」とご心配になると、とても気後れするが、手引するのに従って、10120121三の123261.53四の帷子(かたびら)を引き上げて、たいそう静かにお入りになろうとするが、皆寝静まっている夜の、お召物の衣ずれ(きぬずれ)の様子は、柔らかであるのが、かえってはっきりとわかるのであった。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 ![]() 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 [第三段 空蝉(うつせみ)と軒端荻(おぎ)、碁を打つ] (6)この子も、姉のお気持ちは曲がりそうになく堅物(かたぶつ)でいるので、話をつけるすべもなくて、人少なになった時にお入れ申し上げようと考えるのであった。「紀伊(きい)守(かみ)の妹も、ここにいるのか。わたしにのぞき見させよ」とおっしゃるが、「どうして、そのようなことができましょうか。格子には几帳(きちょう)が添え立ててあります」と申し上げる。もっともだ、しかしそれでも興味深くお思いになるが、「見てしまったとは言うまい、気の毒だ」とお思いになって、夜の更けて行くことの遅いことをおっしゃる。今度は、妻戸を叩い(たたい)て入って行く。女房たちは皆静かに寝静まっていた。「この障子の口に、僕は寝ていよう。風よ吹き抜けておくれ」と言って、畳を広げて横になる。女房たちは、東廂(ひさし)に大勢寝ているのだろう。妻戸を開けた女童もそちらに入って寝てしまったので、しばらく空寝をして、灯火の明るい方に屏風(びょうぶ)を広げて、うす暗くなったところに、静かにお入れ申し上げる。「どうなることか、愚かしいことがあってはならない」とご心配になると、とても気後れするが、手引するのに従って、母屋(おもや)の几帳(きちょう)の帷子(かたびら)を引き上げて、たいそう静かにお入りになろうとするが、皆寝静まっている夜の、お召物の衣ずれ(きぬずれ)の様子は、柔らかであるのが、かえってはっきりとわかるのであった。 |