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[第三段 空蝉(うつせみ)の寝所に忍び込む](37)「あなたの冷たい態度に312411220040五を十分に言わないうちに夜もしらみかけ鶏までが取るものも取りあえぬまであわただしく鳴いてわたしを起こそうとするのでしょうか」女は、わが身の上を思うと、まことに不似合いで111222222四気持ちがして、源氏の君の素晴らしいお持てなしも、何とも感ぜず、平生はとても生真面目(きまじめ)過ぎて嫌な男だと14121416.534五いる伊予(いよ)国の方角が思いやられて、「夢に現われやしないか」と思うと、何となく恐ろしくて気がひける。「わが身の辛さを嘆いても嘆き足りないうちに明ける夜は鶏の鳴く音に取り重ねて、わたしも泣かれてなりません」ずんずんと明るくなるので、襖障子(ふすましょうじ)口までお送りになる。家の内も外も騒がしいので、引き閉て(たて)て、お別れになる時、心細い気がして、仲を隔てる関のように思われた。御直衣(のうし)などをお召しになって、南面の高欄の側で少しの間眺めていらっしゃる。西面の20322三を忙しく上げて、女房たちが覗き見(のぞきみ)しているようである。簀子(すのこ)の中央に立ててある小障子の上から、わずかにお見えになるお姿を、身に感じ入っている好色な女もいるようである。月は有明で、光は弱くなっているとはいうものの、面ははっきりと見えて、かえって趣のある114224100の空である。11322140三なはずの空の様子も、ただ見る人によって、美しくも悲しくも見えるのであった。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 光る源氏 十七歳夏の参議(宰相)兼近衛中将時代の物語 第二章 女性体験談 [[第三段 空蝉(うつせみ)の寝所に忍び込む] (37)「あなたの冷たい態度に恨み言を十分に言わないうちに夜もしらみかけ鶏までが取るものも取りあえぬまであわただしく鳴いてわたしを起こそうとするのでしょうか」女は、わが身の上を思うと、まことに不似合いで眩しい(まぶしい)気持ちがして、源氏の君の素晴らしいお持てなしも、何とも感ぜず、平生はとても生真面目(きまじめ)過ぎて嫌な男だと侮っている伊予(いよ)国の方角が思いやられて、「夢に現われやしないか」と思うと、何となく恐ろしくて気がひける。「わが身の辛さを嘆いても嘆き足りないうちに明ける夜は鶏の鳴く音に取り重ねて、わたしも泣かれてなりません」ずんずんと明るくなるので、襖障子(ふすましょうじ)口までお送りになる。家の内も外も騒がしいので、引き閉て(たて)て、お別れになる時、心細い気がして、仲を隔てる関のように思われた。御直衣(のうし)などをお召しになって、南面の高欄の側で少しの間眺めていらっしゃる。西面の格子を忙しく上げて、女房たちが覗き見(のぞきみ)しているようである。簀子(すのこ)の中央に立ててある小障子の上から、わずかにお見えになるお姿を、身に感じ入っている好色な女もいるようである。月は有明で、光は弱くなっているとはいうものの、面ははっきりと見えて、かえって趣のある曙(あけぼの)の空である。無心なはずの空の様子も、ただ見る人によって、美しくも悲しくも見えるのであった。 |