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[第三段 空蝉(うつせみ)の寝所に忍び込む](36)むやみに男女の仲を知らない者のように、泣いていらっしゃるのが、とても辛い」と、恨み言をいわれて、「とてもこのような情けない身の運命が21211111124四ない、昔のままのわが身で、このようなお気持ちを3261.532112五したのならば、とんでもない11214116.534四な希望ですが、愛していただける時もあろううかと存じて慰めましょうに、とてもこのような、一時の仮寝のことを思いますと、どうしようもなく心1112142三されてならないのです。たとえ、こうとなりましても、逢っ(あっ)たと言わないで下さいまし」と言って、悲しんでいる様子は、いかにも道理である。並々ならず行く末を約束し慰めなさる言葉は、きっと多いことであろう。鶏も鳴いた。供びとが起き出して、「ひどく寝過ごしてしまったなあ」「お車を引き出せよ」などと言っているようだ。紀伊(きい)守(かみ)も起き出して来て、「女性などの方違え(かたたがえ)ならばともかく。暗いうちからお急き(せき)あそばさずとも」などと言っているのも聞こえる。源氏の君は、再びこのような機会があろうこともとても難しいし、わざわざ訪れることはどうしてできようか、お手紙などもを通わすことはとても無理なことをお思いになると、ひどく胸が痛む。奥にいた中将の君も出て来て、とても困っているので、お放しになっても、再びお引き留めになっては、「どのようにして、お便りを差し上げたらよかろうか。ほんとうに何とも言いようのない、あなたのお気持ちの冷たさといい、慕わしさといい、深く12201112三こまれた思い出は、いろいろとめったにないことであったね」と言って、お泣きになる様子は、とても1223221三である。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 光る源氏 十七歳夏の参議(宰相)兼近衛中将時代の物語 第二章 女性体験談 [[第三段 空蝉(うつせみ)の寝所に忍び込む] (36)むやみに男女の仲を知らない者のように、泣いていらっしゃるのが、とても辛い」と、恨み言をいわれて、「とてもこのような情けない身の運命が定まらない、昔のままのわが身で、このようなお気持ちを頂戴したのならば、とんでもない身勝手な希望ですが、愛していただける時もあろううかと存じて慰めましょうに、とてもこのような、一時の仮寝のことを思いますと、どうしようもなく心惑いされてならないのです。たとえ、こうとなりましても、逢っ(あっ)たと言わないで下さいまし」と言って、悲しんでいる様子は、いかにも道理である。並々ならず行く末を約束し慰めなさる言葉は、きっと多いことであろう。鶏も鳴いた。供びとが起き出して、「ひどく寝過ごしてしまったなあ」「お車を引き出せよ」などと言っているようだ。紀伊(きい)守(かみ)も起き出して来て、「女性などの方違え(かたたがえ)ならばともかく。暗いうちからお急き(せき)あそばさずとも」などと言っているのも聞こえる。源氏の君は、再びこのような機会があろうこともとても難しいし、わざわざ訪れることはどうしてできようか、お手紙などもを通わすことはとても無理なことをお思いになると、ひどく胸が痛む。奥にいた中将の君も出て来て、とても困っているので、お放しになっても、再びお引き留めになっては、「どのようにして、お便りを差し上げたらよかろうか。ほんとうに何とも言いようのない、あなたのお気持ちの冷たさといい、慕わしさといい、深く刻みこまれた思い出は、いろいろとめったにないことであったね」と言って、お泣きになる様子は、とても優美である。 |