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[第三段 空蝉(うつせみ)の寝所に忍び込む](34)消え入らんばかりにとり乱した様子は、まことにいたいたしく11132140三なので、いい女だと御覧になって、「111321414131五はずもない心の導きを、意外にも理解しても下さらずはぐらかしなさいますね。好色めいた振る舞いは、決して致しません。気持ちを少し申し上げたいのです」と言って、とても小柄なので、211121144四て襖障子(ふすましょうじ)までお出になるところへ、呼んでいた中将らしい女房が来合わせた。「これ、これ」とおっしゃると、不審に思って手探りで近づいたところ、大変に薫物(たきもの)の香があたり一面に匂っていて、顔にまで匂いかかって来るような感じがするので、理解がついた。意外なことで、これはどうしたことかと、おろおろしないではいられないが、何とも申し上げようもない。普通の男ならば、手荒に引き放すこともしようが、それでさえ大勢の人が知ったらどうであろうか。胸がどきどきして、後からついて来たが、平然として、奥のご座所にお入りになった。襖障子(ふすましょうじ)を引き閉て(たて)て、「明朝(みんちょう)、お迎えに参られよ」とおっしゃるので、女は、この女房がどう思うかまでが、死ぬほど耐えられないので、流れ出るほどの汗びっしょりになって、とても悩ましい様子でいる、それは、気の毒であるが、例によって、どこから出てくる言葉であろうか、愛情がわかるほどに、優しく優しく、言葉を33132234四おっしゃるようだが、やはりまことに412114三ないので、「真実のこととは思われません。しがない身の上ですが、お貶み(さげすみ)なさったお気持ちのほどを、どうして1212三お気持ちと存ぜずにいられましょうか。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 光る源氏 十七歳夏の参議(宰相)兼近衛中将時代の物語 第二章 女性体験談 [[第三段 空蝉(うつせみ)の寝所に忍び込む] (34)消え入らんばかりにとり乱した様子は、まことにいたいたしく可憐(かれん)なので、いい女だと御覧になって、「間違えるはずもない心の導きを、意外にも理解しても下さらずはぐらかしなさいますね。好色めいた振る舞いは、決して致しません。気持ちを少し申し上げたいのです」と言って、とても小柄なので、抱き上げて襖障子(ふすましょうじ)までお出になるところへ、呼んでいた中将らしい女房が来合わせた。「これ、これ」とおっしゃると、不審に思って手探りで近づいたところ、大変に薫物(たきもの)の香があたり一面に匂っていて、顔にまで匂いかかって来るような感じがするので、理解がついた。意外なことで、これはどうしたことかと、おろおろしないではいられないが、何とも申し上げようもない。普通の男ならば、手荒に引き放すこともしようが、それでさえ大勢の人が知ったらどうであろうか。胸がどきどきして、後からついて来たが、平然として、奥のご座所にお入りになった。襖障子(ふすましょうじ)を引き閉て(たて)て、「明朝(みんちょう)、お迎えに参られよ」とおっしゃるので、女は、この女房がどう思うかまでが、死ぬほど耐えられないので、流れ出るほどの汗びっしょりになって、とても悩ましい様子でいる、それは、気の毒であるが、例によって、どこから出てくる言葉であろうか、愛情がわかるほどに、優しく優しく、言葉を尽くしておっしゃるようだが、やはりまことに情けないので、「真実のこととは思われません。しがない身の上ですが、お貶み(さげすみ)なさったお気持ちのほどを、どうして浅いお気持ちと存ぜずにいられましょうか。 |