| ご来訪ありがとうございます。初めての方は「はじめに」をご覧ください。 変換表
[第三段 空蝉(うつせみ)の寝所に忍び込む](33)皆寝静まった様子なので、掛金を試しに開けて御覧になると、向こう側からは鎖し(とざし)てないのであった。几帳(きちょう)を襖障子(ふすましょうじ)口に立てて、灯火はほの暗いが、御覧になると唐櫃(からびつ)のような物どもを置いてあるので、ごたごたした中を、掻き分け(かきわけ)て入ってお行きになると、ただ一人だけでとても小柄な感じで臥せって(ふせって)いた。何となく13420312413422五く感じるが、上に掛けてある20133120三を押しのけるまで、呼んでいた女房だと思っていた。「中将をお呼びでしたので。人知れずお慕いしておりました、その112二があった気がしまして」とおっしゃるのを、すぐにはどういうことかも分からず、魔物にでも襲われたような気がして、「きゃっ」と脅え(おびえ)たが、顔に衣が触れて、声にもならない。「突然のことで、一時の31134113132四心とお思いになるのも、ごもっともですが、長年、恋い慕っていましたわたしの気持ちを、聞いていただきたいと思いまして。このような機会を待ち受けていたのも、決していい11144140三な気持ちからではない深い前世からの縁と、お思いになって下さい」と、とても優しくおっしゃって、鬼神さえも手荒なことはできないような態度なので、ぶしつけに「ここに、変な人が」とも、大声が出せない。気分は辛く、あってはならない事だと思うと、412114三なくなって、「お人違いでございましょう」と言うのもやっとである。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 光る源氏 十七歳夏の参議(宰相)兼近衛中将時代の物語 第二章 女性体験談 [[第三段 空蝉(うつせみ)の寝所に忍び込む] (33)皆寝静まった様子なので、掛金を試しに開けて御覧になると、向こう側からは鎖し(とざし)てないのであった。几帳(きちょう)を襖障子(ふすましょうじ)口に立てて、灯火はほの暗いが、御覧になると唐櫃(からびつ)のような物どもを置いてあるので、ごたごたした中を、掻き分け(かきわけ)て入ってお行きになると、ただ一人だけでとても小柄な感じで臥せっ(ふせっ)ていた。何となく煩わしく感じるが、上に掛けてある衣を押しのけるまで、呼んでいた女房だと思っていた。「中将をお呼びでしたので。人知れずお慕いしておりました、その甲斐(かい)があった気がしまして」 とおっしゃるのを、すぐにはどういうことかも分からず、魔物にでも襲われたような気がして、「きゃっ」と脅え(おびえ)たが、顔に衣が触れて、声にもならない。「突然のことで、一時の戯れ心とお思いになるのも、ごもっともですが、長年、恋い慕っていましたわたしの気持ちを、聞いていただきたいと思いまして。このような機会を待ち受けていたのも、決していい加減な気持ちからではない深い前世からの縁と、お思いになって下さい」と、とても優しくおっしゃって、鬼神さえも手荒なことはできないような態度なので、ぶしつけに「ここに、変な人が」とも、大声が出せない。気分は辛く、あってはならない事だと思うと、情けなくなって、「お人違いでございましょう」と言うのもやっとである。 |