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[第四段 式部丞(すすむ)の体験談(畏れ多い女の物語)](30)きょろきょろと逃げ時をうかがって、『蜘蛛(くも)の動きでわたしの来ることがわかっているはずの夕暮(ゆうぐれ)に蒜(ひる)が臭っ(におっ)ている昼間が過ぎるまでまで待てと言うのは訳がわかりません。どのような口実ですか』と、言い終わらず逃げ出しましたところ、追いかけて、『逢う(あう)ことが一夜も置かずに逢っ(あっ)ている夫婦仲ならば、蒜(ひる)の臭っ(におっ)ている昼間逢っ(あっ)たからとてどうして恥ずかしいことがありましょうか』さすがに返歌は232201233四ございました」と、落ち着いて申し上げるので、公達(きんだち)は1261.53201114五に思って、「嘘(うそ)だ」と言ってお笑いになる。「どこにそのような女がいようか。おとなしく鬼と向かい合っていたほうがましだ。気持ちが悪い話よ」と爪弾き(つまはじき)して、「何とも評しようがない」と、藤式部丞(すすむ)を軽蔑(けいべつ)し非難して、「もう少しましな話を申せ」とお24114二になるが、「これ以上114203124222五話がございましょうか」と言って、澄ましている。「すべて男も女も未熟者は、少し知っている方面のことをすっかり見せようと思っているのが、困ったものです。三史五経といった学問的な方面を、本格的に理解するというのは、好感の持てないことですが、どうして女だからといって、世の中の公私の事々につけて、まったく知りませんできませんと言っていられましょうか。本格的に勉強しなくても、少しでも2121003四のあるような人は、耳から目から入って来ることが、自然に多いはずです。そのようなことから、漢字をさらさらと走り書きして、お互いに書かないはずの女どうしの手紙文にも、半分以上書き交ぜているのは、ああ何と2121112三な、この人が女らしかったらいいのになあと思われます。気持ちの上ではそんなにも思わないでしょうが、
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 光る源氏 十七歳夏の参議(宰相)兼近衛中将時代の物語 第二章 女性体験談 [第四段 式部丞(すすむ)の体験談(畏れ多い女の物語)] (30)きょろきょろと逃げ時をうかがって、『蜘蛛(くも)の動きでわたしの来ることがわかっているはずの夕暮(ゆうぐれ)に蒜(ひる)が臭っ(におっ)ている昼間が過ぎるまでまで待てと言うのは訳がわかりません。どのような口実ですか』と、言い終わらず逃げ出しましたところ、追いかけて、『逢う(あう)ことが一夜も置かずに逢っ(あっ)ている夫婦仲ならば、蒜(ひる)の臭っ(におっ)ている昼間逢っ(あっ)たからとてどうして恥ずかしいことがありましょうか』さすがに返歌は素早う(すばよう)ございました」と、落ち着いて申し上げるので、公達(きんだち)は興醒め(きょうざめ)に思って、「嘘(うそ)だ」と言ってお笑いになる。「どこにそのような女がいようか。おとなしく鬼と向かい合っていたほうがましだ。気持ちが悪い話よ」と爪弾き(つまはじき)して、「何とも評しようがない」と、藤式部丞(すすむ)を軽蔑(けいべつ)し非難して、「もう少しましな話を申せ」とお責めになるが、「これ以上珍しい話がございましょうか」と言って、澄ましている。「すべて男も女も未熟者は、少し知っている方面のことをすっかり見せようと思っているのが、困ったものです。三史五経といった学問的な方面を、本格的に理解するというのは、好感の持てないことですが、どうして女だからといって、世の中の公私の事々につけて、まったく知りませんできませんと言っていられましょうか。本格的に勉強しなくても、少しでも才能のあるような人は、耳から目から入って来ることが、自然に多いはずです。そのようなことから、漢字をさらさらと走り書きして、お互いに書かないはずの女どうしの手紙文にも、半分以上書き交ぜているのは、ああ何と厭味(いやみ)な、この人が女らしかったらいいのになあと思われます。気持ちの上ではそんなにも思わないでしょうが、 |