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[第四段 式部丞(すすむ)の体験談(畏れ多い女の物語)](29)ましてあなた様方の御ためには、しっかりして手ぬかりのない奥方様は、何の必要がおありあそばしましょうか。つまらない、残念だ、と一方では思いながらも、ただ自分の気に入り、宿縁もあるようでございますので、男という者は、311342三のないもののようでございます」と申し上げるので、続きを言わせようとして、「それにしてもまあ、何と興味ある女だろうか」と、おだてなさるのを、そうとは知りながらも、鼻のあたりをおかしなかっこうさせて語り続ける。「そうして、ずいぶん長く行きませんでしたが、何かのついでに立ち寄ってみましたところ、いつものくつろいだ部屋(へや)にはおりませんで、不愉快な物を10421134三て逢(あう)のでございます。嫉妬しているのかと、ばかばかしくもあり、また、別れるのにちょうど良い機会だと存じましたが、この畏れ多い女という者は、軽々しい嫉妬をするはずもなく、男女の仲を心得ていて恨み言を言いませんでした。声もせかせかと言うことには、『数月来、風邪(かぜ)が重いのに314二兼ねて極熱の薬草を服して、大変に臭いので、面会は御遠慮申し上げます。直接にでなくても、しかるべき雑用などは承りましょう』と、いかにも殊勝にもっともらしく言います。返事には何と言えようか。ただ、『2261.5332四しました』とだけ言って、立ち去ります時に、物足りなく思ったのでしょうか、『この臭い(におい)が消えた時にお立ち寄り下さい』と声高に言うのを、聞き捨てるのも気の毒ですが、しばしの間でもためらっている場合でもありませんので、言うとおり、その臭い(におい)までが、ぷんぷんと3121112316.534五来るのも31111130三ませんので、
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 光る源氏 十七歳夏の参議(宰相)兼近衛中将時代の物語 第二章 女性体験談 [第四段 式部丞(すすむ)の体験談(畏れ多い女の物語)] (29)ましてあなた様方の御ためには、しっかりして手ぬかりのない奥方様は、何の必要がおありあそばしましょうか。つまらない、残念だ、と一方では思いながらも、ただ自分の気に入り、宿縁もあるようでございますので、男という者は、他愛(たわい)のないもののようでございます」と申し上げるので、続きを言わせようとして、「それにしてもまあ、何と興味ある女だろうか」と、おだてなさるのを、そうとは知りながらも、鼻のあたりをおかしなかっこうさせて語り続ける。「そうして、ずいぶん長く行きませんでしたが、何かのついでに立ち寄ってみましたところ、いつものくつろいだ部屋(へや)にはおりませんで、不愉快な物を隔てて逢(あう)のでございます。嫉妬しているのかと、ばかばかしくもあり、また、別れるのにちょうど良い機会だと存じましたが、この畏れ多い女という者は、軽々しい嫉妬をするはずもなく、男女の仲を心得ていて恨み言を言いませんでした。声もせかせかと言うことには、『数月来、風邪(かぜ)が重いのに堪え兼ねて、極熱の薬草を服して、大変に臭いので、面会は御遠慮申し上げます。直接にでなくても、しかるべき雑用などは承りましょう』と、いかにも殊勝にもっともらしく言います。返事には何と言えようか。ただ、『承知しました』とだけ言って、立ち去ります時に、物足りなく思ったのでしょうか、『この臭い(におい)が消えた時にお立ち寄り下さい』と声高に言うのを、聞き捨てるのも気の毒ですが、しばしの間でもためらっている場合でもありませんので、言うとおり、その臭い(におい)までが、ぷんぷんと漂って来るのも堪り(たまり)ませんので、 |