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[第二段 左馬頭の体験談(浮気な女の物語)](24)「式部のところには、変わった話があろう。少しずつ、話して聞かせよ」と催促される。「下の下のわたくしめごとき者には、何の、お聞きあそばす話がありましょう」と言うけれど、頭中将(とうのちゅうじょう)の君が、111202114三に「早く早く」とご催促なさるので、何をお話し申そうかと思案したが、「まだ文章生でございました時、畏れ多い女性の例を拝見しました。先程、左馬頭が申されましたように、公事をも相談し、私生活の面での心がけも考え廻らす(まわらす)こと深く、漢学の才能はなまじっかの博士(はかせ)が恥ずかしくなる程で、220140202三口出すことは何もございませんでした。それは、ある博士(はかせ)のもとで学問などを致そうと思って、通っておりましたころに、主人の博士(はかせ)には娘が多くいるとお聞き致しまして、ちょっとした折に言い寄りましたところ、父親が聞きつけて、盃(さかずき)を持って出て来て、『わたしが両つの途を歌うのを聴け』と謡いかけてきましたが、少しも結婚してもよいと思って通っていませんで、あの父親の気持ちに1214144三して、そうは言うもののかかずらっておりましたところ、とても情け深く世話をし、閨房(けいぼう)の語らいにも、身に学問がつき、3261.53342五に33114131四のに役立つ学問的なことを教えてくれて、とても見事に手紙文にも仮名文字というものを書き交ぜず、本格的に漢文で表現しますので、ついつい別れることができずに、その女を先生として、下手(へた)な漢詩文を作ることなどを習いましたので、今でもその恩は忘れませんが、慕わしい妻として頼りにするには、無学のわたしは、どことなく104016.531四振る舞いなど見られましょうから、恥ずかしく思われました。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 光る源氏 十七歳夏の参議(宰相)兼近衛中将時代の物語 第二章 女性体験談 [第二段 左馬頭の体験談(浮気(うわき)な女の物語)] (24)「式部のところには、変わった話があろう。少しずつ、話して聞かせよ」と催促される。「下の下のわたくしめごとき者には、何の、お聞きあそばす話がありましょう」と言うけれど、頭中将(とうのちゅうじょう)の君が、真面目(まじめ)に「早く早く」とご催促なさるので、何をお話し申そうかと思案したが、「まだ文章生でございました時、畏れ多い女性の例を拝見しました。先程、左馬頭が申されましたように、公事をも相談し、私生活の面での心がけも考え廻らす(まわらす)こと深く、漢学の才能はなまじっかの博士(はかせ)が恥ずかしくなる程で、万事口出すことは何もございませんでした。それは、ある博士(はかせ)のもとで学問などを致そうと思って、通っておりましたころに、主人の博士(はかせ)には娘が多くいるとお聞き致しまして、ちょっとした折に言い寄りましたところ、父親が聞きつけて、盃(さかずき)を持って出て来て、『わたしが両つの途を歌うのを聴け』と謡いかけてきましたが、少しも結婚してもよいと思って通っていませんで、あの父親の気持ちに気兼ねして、そうは言うもののかかずらっておりましたところ、とても情け深く世話をし、閨房(けいぼう)の語らいにも、身に学問がつき、朝廷に仕えるのに役立つ学問的なことを教えてくれて、とても見事に手紙文にも仮名文字というものを書き交ぜず、本格的に漢文で表現しますので、ついつい別れることができずに、その女を先生として、下手(へた)な漢詩文を作ることなどを習いましたので、今でもその恩は忘れませんが、慕わしい妻として頼りにするには、無学のわたしは、どことなく劣った振る舞いなど見られましょうから、恥ずかしく思われました。 |