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[第二段 左馬頭の体験談(浮気な女の物語)](21)中将は、「わたしは、馬鹿な体験談をお話しましょう」と言って、「ごくこっそりと通い始めた女で、そうした関係を長く続けてもよさそうな様子だったので、長続きのする仲とは存じられませんでしたが、馴れ(なれ)親しんで行くにつれて、愛しい(いとしい)と思われましたので、402114三がちながらも忘れられない女と存じておりましたが、それほどの仲になると、わたしを頼りにしている様子にも見えました。頼りにするとなると、恨めしく思っていることもあるだろうと、我ながら思われる折々もございましたが、女は気に掛けぬふうをして、久しく通って行かないのを、こういうたまにしか来ない男とも思っていないで、ただ朝夕にいつも心に掛けているという312214三312214三に見えて、いじらしく思えたので、ずっと頼りにしているようにと言ったこともあったのでした。親もなく、とても心細い様子で、それならばこの人だけをと、何かにつけて頼りにしている様子もいじらしげでした。このようにおっとりしていることに安心して、長い間通って行かないでいたころ、わたしの妻の辺りから、412114三のないひどいことを、ある手づるがあってそれとなく言わせたことを、後になって聞きました。そのような331242三ことがあったのかとも知らず、心中では忘れていないとはいうものの、便りなども出さずに長い間おりましたところ、すっかり10211140三して不安だったので、1021412四子供もいたので思い悩んで、撫子(なでしこ)の花を折って、送って寄こしました」と言って涙ぐんでいる。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 光る源氏 十七歳夏の参議(宰相)兼近衛中将時代の物語 第二章 女性体験談 [第二段 左馬頭の体験談(浮気(うわき)な女の物語)] (21)中将は、「わたしは、馬鹿な体験談をお話しましょう」と言って、「ごくこっそりと通い始めた女で、そうした関係を長く続けてもよさそうな様子だったので、長続きのする仲とは存じられませんでしたが、馴れ(なれ)親しんで行くにつれて、愛しい(いとしい)と思われましたので、途絶えがちながらも忘れられない女と存じておりましたが、それほどの仲になると、わたしを頼りにしている様子にも見えました。頼りにするとなると、恨めしく思っていることもあるだろうと、我ながら思われる折々もございましたが、女は気に掛けぬふうをして、久しく通って行かないのを、こういうたまにしか来ない男とも思っていないで、ただ朝夕にいつも心に掛けているという態度に見えて、いじらしく思えたので、ずっと頼りにしているようにと言ったこともあったのでした。親もなく、とても心細い様子で、それならばこの人だけをと、何かにつけて頼りにしている様子もいじらしげでした。このようにおっとりしていることに安心して、長い間通って行かないでいたころ、わたしの妻の辺りから、情けのないひどいことを、ある手づるがあってそれとなく言わせたことを、後になって聞きました。そのような辛いことがあったのかとも知らず、心中では忘れていないとはいうものの、便りなども出さずに長い間おりましたところ、すっかり悲観して不安だったので、幼い子供もいたので思い悩んで、撫子(なでしこ)の花を折って、送って寄こしました」と言って涙ぐんでいる。 |