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[第二段 左馬頭の体験談(浮気な女の物語)](19)以前から心を交わしていたのでしょうか、この男はとてもそわそわして、中門近くの渡廊の簀子(すのこ)のような所に腰を掛けて、2222012413四月を見ています。菊は一面にとても色美しく変色しており、風に212102四づいた紅葉が散り乱れているのなど、美しいものだなあと、なるほど思われました。1034020133四にあった横笛を取り出して吹き鳴らし、『月影も良い』などと合い間合い間に謡うと、良い音のする和琴(わごん)を、調子が調えてあったもので、きちんと14116.5303四していたところは、悪くはありませんでした。律の調子は、女性がもの柔らかく掻き鳴らし(かきならし)て、御簾(みす)の内側から聞こえて来るのも、今風の楽の音なので、清く澄んでいる月にふさわしくなくもありません。その男はひどく感心して、御簾(みす)の側に歩み寄って、『庭の紅葉を、踏み分けた跡がないですね』などと嫌がらせを言います。菊を手折って、『琴の音色も月も素晴らしいお宅ですが、薄情な方を引き止めることができなかったようですね。悪いことを言ったかしら』などと言って、『もう一曲、喜んで聞きたいというわたしがいる時に、10120212三惜しみなさいますな』などと、ひどく色っぽく言いかけますと、女は、声をとても気取って出して、『冷たい木枯らしに合うようなあなたの笛の音を引きとどめる術をわたしは持ち合わせていません』と色っぽく1031311112四合います。
〰 おもしろ「ことば変換」〰 左下「れんじろう」内に下の文をコピペし語を選択後、変換ボタンを押して読んでみよう。変換語によっては面白いですよ。 【現代語訳】 光る源氏 十七歳夏の参議(宰相)兼近衛中将時代の物語 第二章 女性体験談 [第二段 左馬頭の体験談(浮気(うわき)な女の物語)] (19)以前から心を交わしていたのでしょうか、この男はとてもそわそわして、中門近くの渡廊の簀子(すのこ)のような所に腰を掛けて、暫く(しばらく)月を見ています。菊は一面にとても色美しく変色しており、風に勢いづいた紅葉が散り乱れているのなど、美しいものだなあと、なるほど思われました。懐にあった横笛を取り出して吹き鳴らし、『月影も良い』などと合い間合い間に謡うと、良い音のする和琴(わごん)を、調子が調えてあったもので、きちんと合奏していたところは、悪くはありませんでした。律の調子は、女性がもの柔らかく掻き鳴らし(かきならし)て、御簾(みす)の内側から聞こえて来るのも、今風の楽の音なので、清く澄んでいる月にふさわしくなくもありません。その男はひどく感心して、御簾(みす)の側に歩み寄って、『庭の紅葉を、踏み分けた跡がないですね』などと嫌がらせを言います。菊を手折って、『琴の音色も月も素晴らしいお宅ですが、薄情な方を引き止めることができなかったようですね。悪いことを言ったかしら』などと言って、『もう一曲、喜んで聞きたいというわたしがいる時に、弾き(はじき)惜しみなさいますな』などと、ひどく色っぽく言いかけますと、女は、声をとても気取って出して、『冷たい木枯らしに合うようなあなたの笛の音を引きとどめる術をわたしは持ち合わせていません』と色っぽく振る舞い合います。 |