はじめに

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本ブログは「文芸作品の中の任意の語(漢字または漢字と送り仮名)を数列に置き換えると、なんだか面白いパズルができそうだ、それを連載することで、シンプルで一貫性のあるブログができそうだ」という思いと「読者がそれらを元の語に戻そうと試みることで、漢字やことばに関心を持つことができれば、そして、それらの記憶を強化することができれば」という願いがドッキングして生まれたものです。



それらの戻し方は、次の通りです。まずは変換表(6進数からなる1〜3桁の数字と文字が対応している表/下記参照)を見ながら、小説文中の数列を漢字の綴りに戻すのですが、いきなり戻すのではなく、数列を区切ると同時に区切った数字を文字(漢字の読み)に直し、次に直したそれらを漢字の綴りに戻していきます。

数列  →  数字|数字|数字|数字 →  文字|文字|文字|文字  →  漢字の綴り  

例 312203  →  31|2|20|3  →  タ|イ|コ|ウ  →  対向


ところで、数列や記号列を特定の文字に変換する暗号を換字式暗号と言います。この暗号が本ブログにも用いられております。それは、数列を1〜3桁の数字に分割し、分割した数字をそれぞれ変換表の1文字に対応させるもので、あらゆる換字式暗号の中で最も簡単なものです。それでも数列に境目がないので、どう区切るかで悩むところであります。

例えば、 文中に312203があったとすると、その区切り方は、3|1|2|20|3(ウ|ア|イ|コ|ウ)、31|2|20|3 (タ|イ|コ|ウ)、3|12|20|3 (ウ|キ|コ|ウ)、3|1|220|3 (ウ|ア|バ|ウ)、31|220|3 (タ|バ|ウ)、3|1|2|203 (ウ|ア|イ|ズ)、31|2|203 (タ|イ|ズ)、3|12|203 (ウ|キ|ズ)の8通りもあるのですが、数列の長さや数字の並び方によっては、その数がもっと増えます。ことばを数列に直すのは簡単だが、その逆は難しいという訳です。


数列を上記のように機械的(ツリー探索的)に分割していけば、いつかは解けます。しかし、そんな暇はないはず。だから、それを語彙力、解析力、推測力、直感力を用いて短時間で解いていきます。

具体的には、次のようにして解きます。まず、数列と変換表を見比べながら、前後の句や文脈から数列を「こんなことばになるのではないか」と推測してみます。推測した通りのことば(漢字の読み)に分割できた場合は、その推理は間違ってなかったことになります。推測できなかった場合は、答えが現れるまで、分割を試みます。ただし、やみくもに分割するのではなく、分割途中に現れた文字で意味のある列が作れないかを考えながら、分割していきます。分割でき、漢字の読みに変換できたら、次に、それを漢字の綴りに直します。その際、同音異義語があれば、その中から、文にふさわしいものを選択します。

例えば、31|2|20|3(タ|イ|コ|ウ )の綴りは、大公、大綱、対向とありますが、当てはまるのは、対向となります。対向まで直せて、初めて正解となります。これを素早くすればするほどストーリーを追えるようになり、記憶強化できるようになるのです。


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このパズルは、完成間近のジグソーパズルと似ています。「盤面(小説文)には凹状の二次元数列が点在しており、それ以外の盤面にはことばのピースが敷き詰められている」とイメージしてみると「記憶の呼び戻し」「ことば」「数列」「文全体」の関係が見えてきます。皆さんは「数列にはどんなことばが入るのだろう」「当てはまることばはそのことばじゃない」などと思いながら、解読するのですが、うまく解読できた時はピースが凹部分にピッタリ納まった時のような「快感」を味わうことができます。


「記憶の呼び戻しは凹部分に納めるためのピース探しである、ピースはことばであり、数列は凹部分であり、前後の句(凹部周囲のピース)は凹部分の真の形を決定づけるヒントである」と考えれば、「記憶の呼び戻し」「ことば」「数列」「文全体」の関係がお分かりになるのではないでしょうか。ここが他の漢字パズルと異なる点であります。

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盤面(小説文)の95%は最初からピースが敷き詰められているので、凹部分にピースをはめ込む作業は割と楽です。ただし、はめ込むピースは脳裏から探していただくことになります。



ところで、漢字の暗記は漢字のみを紙やノートに書き写しながら覚えるのが一般的です。だが、この単調で苦痛を感じる方法だと暗記効果は低い。学習者は「もう分かった」という状態では暗記しなくなってしまうのです。その点、本ブログは、数列を解析し、意味や使い方までも考慮しながら、読み(音読みまたは訓読み)、綴り、送り仮名を思い出さなければならないので、暗記効果は高い。「思い出す」だけでなく「考える」こともしなければならないので、効果が高いのです。文脈の中で考えながら、思い出す意義は大きい。しかも、楽しみながら ‥。


「ワーキングメモリは入力するより出力するほうが効果的である」「暗記はきっかけを持つことが重要である」と言われています。その意味からも「理にかなった暗記ツールである」と言えます。


数列を分割し、ヨミガナまで変換できたのに綴りを思い出すことができない場合が出てきます。そのような場合でも気にしないでください。覚えるきっかけを持つことができたのですから ‥。


パズルはJavaScriptが組み込まれています。マウスカーソルを数列右の空きスペースに近づけると、答えが現れます。→ 20314三
数列右横の漢数字は読み仮名の文字数(ヒント)を表します。
覚えてなかった綴りや初めて見た綴りはこの場で覚えることになります。


出題される漢字は、常用漢字です。難易度順に出題されている訳ではありません。品詞の頻度は名詞が一番多い。再出題されますので、忘れることを気にせず、何度でも覚えてもらえれば、と思っております。




本ブログは、小説文を数十個の700〜780文字の段落に分割し、分割した段落の中から、漢字混じりの語を6個抽出し、抽出した6個を数列化し、数列化した1段落を「本日の問題」として掲げています。数列をこれ以上増やすと、小説文が読み難くくなる。かといって、数列をこれ以上減らすと、「漢字の暗記」という本来の目的を果たしたとは言い難い。数列の数や文字数も増やすと、変換表が見え難い場合が出てくる。という訳で、このくらいの文字数、数列の数がちょうどよいのです。漢字習熟度中級者をターゲットにしており、出題するレベルは、段落によって異なりますし、個人差もあるでしょうが、6問中4問解けたら上出来かな、と思っています。一応の目安になさってください。途中の段落から解き始める人も多いはずと考え、数列抜きストーリーの全文を内部リンクとして貼ってあります。一作品が終了しましたら、次の作品が出題されます。過去のコンテンツもお楽しみいただけたら、さいわいです。



素材となる小説文は、私には書けません。というか、途中で挫折するかも知れないし、書けたとしても自己満足の域を超えられないからです。そこで、著作権切れのネット小説を青空文庫様等から探したのですが、著作権切れのもの、50年以上前のものは、文体や漢字の綴りが古くて、使用できないものばかりである。そこで、フリーの翻訳集まで枠を広げ、これらの中に「現代性のある文はないか」「秀逸な文芸作品はないか」「常用漢字が多く使われているものはないか」の観点から探すことにしました。探していくうちに、「シャーロックホームズ物語」の翻訳集と「源氏物語」の現代語訳版にたどり着いた次第です。原作の著作権が切れた翻訳作品の中で、翻訳者から加工の許可、二次作品化の許可が得られている翻訳版、現代語訳版をお借りすることができたのです。これらなら文体や漢字の綴りが現代でも通用するし、内容に関する記事が載っているサイトも多くあり、その名前を知らない人はあまりいない。長編小説なので出題のネタが切れる心配もない。と言う訳で、安心して取り組んでいただけます。


これらの物語の概要をご覧になりたい方は上記水色のリンクをクリックしてください。小説としての楽しみは数列がある分減るかも知れない?と思い、少し工夫がしてあります。


一部の漢字混じりの語を数列化したり、行を詰めたり、改行したりしましたが、そうした点については「文のスタイルを換えただけであり、文章自体を書き換えた訳ではない。版権表示し、加工したところを明示すれば、加えて、数列を元の語に戻すなら、許される範囲である」と考えております。





本ブログのパズルは、他では見られないものです。無断転載、複製、二次使用、配布等はご遠慮くださいますようお願いします。



私は2010 09.28からメールマガジン「まぐまぐ」で「数列解読英単語(数列を解読すると英単語の綴りが現れるパズル)」というタイトルで、週2回(月・木)にメルマガを発行しておりましたが、本ブログのパズルは、それを漢字暗記用にアレンジし、物語の中で使えるよう拡張したものです。当時投稿したメルマガの記事は、メール機能を用いて書かれているので、変換表を作れない、JavaScriptを使えないなどの欠点がありましたが、それらをブログ用に改良したのが、本パズルという訳です。変換文字は、26文字から69文字と多くなりましたが、日本語対応なので、多くのユーザーに使用してもらえるのではないかと期待しています。



本ブログのパズルは「明日試験があるから、この範囲の漢字を覚えなければ‥」というような目的で使用することはできません。そのような暗記ツールではありません。しかし、「出題された漢字を少しずつ楽しみながら記憶強化していこう」という目的で使用するなら、有効です。このパズルの本質は「解読」にあります。「如何に意味のある文字列に変換できるか 」がポイントになります。そのためには語の知識も必要です。換言すれば「記憶の呼び戻しは数列分割過程にある」と言っても過言ではありません。ぜひ、あなたも語を探しながら、それがピッタリ収まるかどうか数列分割してみてください。語の意味が分からなければ、ウェブ検索をしてください。下の変換表の対応数字と文字を覚えておくと数列分割がはやくなります。特にア、イ、ウ、エ、10オ、33ツ、111マ、140ン、200ゴ、などを覚えておくと、便利です。パズルの目的、しくみはお分りいただけたでしょうか。それでは、パズルをお楽しみください。




                           変換表

123410111213142021222324303132333440414243
44100101102103104110111112113114120121122123124130131132133134140141
142143144200201202203204210211212213214220221222223224230231232233234




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